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2022年度
【高校2年】いとうせいこう氏×駒場東邦65回生

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【高校2年】いとうせいこう氏×駒場東邦65回生

 
   11月14日月曜日、いとうせいこうさんをお招きして高校2年生と対話イベントを行いました。作家であり、
   ミュージシャンであり、タレントでもあるせいこうさんとの出会いがどのようなものになるか、大きな期待感
   をもって当日を迎えました。高校2年生は現代文の授業で全員がせいこうさんの著作『想像ラジオ』を読んで
   います。現役の書き手と対話ができる機会というのは滅多にないので、この日の実現を心待ちにしてました。
 
   いとうせいこうさんと言えば日本語ラップをはじめとした音楽活動、震災へのアプローチ、国境なき医師団の
   取材など、旺盛な活動で知られています。生徒たちはその人物像に迫るため、9月より実行委員会を組織し、
   当日まで準備を重ねてきました。
    当日のイベントは、4部構成で行われました。
 
   第1部は【いとうせいこうとは何者? ~人物に迫る~】でした。
   中高時代に夢中になっていたこと、大学選び、大学生活、大学と言う場の魅力、出版社への就職などについて
   質問に答えて頂きました。また、小説9作目から10作目にいたるまで16年間のブランクがあることへの質問
   なども出されました。
 
   第2部は【小説『想像ラジオ』】についての特集です。
   高校2年生は全員が1冊を徹底的に読み込むという体験をしています。まずは授業の発表風景の映像を流す
   など、授業の紹介をしました。その後、小説『想像ラジオ』について、「小説内1・3・5章と2・4章」の
   執筆順などや、204ページのある1行についての質問など、かなり具体的なやり取りがなされました。『想像
   ラジオ』をイメージして「ジングル」を作曲した生徒もいて、それをせいこうさんに聞いて頂くなどの場面も
   ありました。

   第3部は【震災・新エネルギー関係】についてのやり取りでした。
   いとうせいこうさんの震災後の活動について伺いました。当事者意識・後世への語り継ぎなどがキーワード
   となりました。せいこうさんが個人で発電所を持っていること、アーティストが再エネの発電に参加し、その
   発電所で作られた電気を購入できるシステムについての話もありました。他国の電力事情と比べた上での日本
   の現状を語って頂きました。

   最後の第4部は【いとうせいこうとHIPHOP】と題するコーナーです。
   生徒から「日本語ラップの先駆者」せいこうさんについての紹介がありました。せいこうさんの「HIPHOPの
   初期衝動」や「THE JUDGE」という曲を映像で流すなど、まずはせいこうさんの活動を紹介し、そのあと
   「MCバトル」や「HIPHOPの現状」についての質問などに答えて頂きました。最後には、実行委員会の生徒
   2名が今日来て頂いた感謝をこめて、自作のラップを披露しました。

   イベント中、実行委員会の面々は意見を出し合い、協力し、全力で運営を行いました。

   最初から最後まで、せいこうさんは絶妙な間で生徒たちの話に切り込み、質問に対しては大変率直に
   お答え頂きました。85分という時間設定でしたが、生徒たちからはまだまだ聞いてみたいことが溢れて
   いる印象でした。知的好奇心を刺激される時間となったようです。
 
   全体を通して感じたのは、いとうせいこうさんの「固定化されずにいること」「リアルを感じること」
   「柔軟に多様なものと関わること」への思いです。会の最後には、「振れ幅」という言葉を用いて、
   ご自身の活動のエネルギーの源泉についても語ってくださいました。テレビの話題の中では、「子ども
   たちが思い浮かんでしまった訳の分からないことの受け皿でありたい」とおっしゃっていました。
 
   この企画はもともと高校2年生の「行動力」によって実現したものです。ご協力いただいた「株式会社UP
   DATER」(=みんな電力)の大石様にも感謝を申し上げます。
 
   実行委員会の1人、伊藤(稜)君よりメッセージです。
   「ご縁があり、8月末にいとうせいこうさんにお会いすることができ、今回の対談の開催が実現しました。
   せいこうさんの著書『想像ラジオ』の一読者として今回お話を聞くことができ、また自分の言い出した
   構想が現実となったことに深い感慨を覚えています。企画に携わって下さった方々に、この場を借りて
   感謝申し上げます。ありがとうございました」

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