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2023年度
【国際理解教育】ベトナムスタディツアー(KTV2024)

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【国際理解教育】ベトナムスタディツアー(KTV2024)

     3月31日~4月4日にかけて、高1・高2(37名)がベトナムを訪問してきました。事前にベトナムの歴史、
     社会、文化やベトナム語、 国際協力のしくみ等について学んだうえで、日本のNGOが支援を行っている
     現場を訪れて課題解決の道筋を学ぶとともに、現在抱えている課題について解決策を考えるプログラムと
     なっています。
 
     1. 山岳少数民族カトゥー族の観光開発支援
     公益財団法人国際開発救援財団(FIDR)に協力していただき、カトゥー族の集落を訪問しました。織物
     体験や舞踊体験をし、地産地消の郷土料理を振る舞ってもらいました。地域の特性(宝)を活かしたポジ
     ティブアプローチの成功例として、多くのことを学ぶことができました。
     生徒の感想より:
     ・カトゥー族は自分達の暮らしに誇りを持っていたことが、彼らを尊敬できる理由の一つだ。彼らは今の
       生活で何かが不足しているというような感情を持たせなかった。 実際に必要とするものは何かという
       質問をしようと考えていたのだが、そのような質問をする雰囲気にはならなかった。本当に今の生活で
       幸せなのかは分からなかったが仮に今の生活で幸せなら、わざわざ文明化して生活を一変させるような
       ことをやりにいかなくてもいいのではと思った。
 
     ・カトゥー族までの道がとてもグラグラと跳ねていて、 日本との道路舗装のクオリティの違いなのか、
       バスの性能のせいなのか気になった。また、カトゥー族の村までの道中、ぐちゃぐちゃに束ねられた
       電線を見て、日本は整備されているのだと思った。カトゥー族の体験はとても面白かった。その中で、
       ジェンダーについて議論する事が後にあったが、ある程度の水準の発展があるからこそジェンダーや
       ポリコレなどの配慮をする事が出来るのではないかと思った。
 
     ・写真などで事前にわかってはいたものの、葉っぱに巻いてあるご飯は最初少し抵抗がありましたが、
       食べてみるとかなり美味しく自然豊かなカトゥー族の村も楽しむことができました。気のいい接客や
       大量のご飯からは、まるで田舎の祖父母の家に訪問したのと似た気持ちになりました。そう考えると、
       外国人とはいえ似たところがあるのだとわかり、だいぶ緊張が解けたのだと思います。
     2. 環境教育支援
     NPO法人 ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ) に協力していただき、 フエ市郊外にあるランモンクァン
     中学校を訪問しました。環境問題についてのグループディスカッションを行い、日越の現状について相互
     理解を図りました。さらに環境問題を楽しく理解するために本校生徒たちが発案・作成した教材(英語と
     ベトナム語を併記)を用いてグループワークを行いました。午後は、ユネスコ世界文化遺産に指定されて
     いるフエ王宮やティエンムー寺を訪問しました。
     生徒の感想より:
     ・ランモンクァン中学校に大歓迎パレードを開いてもらい少し恐縮してしまったもののとても楽しかった。
       グループワークでは相手方がみんなとても明るく積極的だったので、そのムードに助けてもらう場面が
       多かった。今でも個人間で連絡を取っているが、双方が今回の交流会に感謝している。
 
     ・ランモンクァン中学校の生徒たちとの交流では彼ら彼女らと自分たちには違いや共通点もあると感じた。
       しゃべっている言葉やじゃんけんの仕方などは違ったが、 やっている遊び(〇×ゲームのようなもの。
       呼び方は違った)や初対面で緊張する様子などは自分たちと同じだと感じた。結局、同じ人間だからか
       翻訳機は多少使ったが、教材のプレゼンや雑談などではノリやテンションでどうにか意思疎通ができたと
       思う。同時に意思疎通ができる喜びも感じた。フエの王宮はたくさんの弾痕が残っていて当時の戦闘の
       激しさが推察できた。
 
     ・ランモンクァン中学校に行き、 ベトナムの学生にとって駒東生の訪問は一大行事だと実感した。また、
       ベトナム人の発表を聞いて、ベトナムも日本以上に環境問題に悩まされていると感じた。 猛暑も気候
       変動がなかったころには、少しは涼しかったのかと疑問に思った。
 
     ・ランモンクァン中学校で盛大な歓迎を受けたのには驚いた。想定よりも相手に英語が伝わらなかった
       のは苦労したが、なんとか発表授業を終えることができてよかった。また、フエの遺跡や道中の道など
       至る所にベトナム国旗がたなびいており、共産主義味を感じた。フエの王朝はフランス統治時代に作ら
       れた物なだけあり、建築がフランス風であり美しかった。特に庭園は西洋の整えられた感じとアジアの
       自然的な感じが混ざっており、普段見ない植物などがたくさんあって好きだった。
     3. 零細農家向け農畜産業経営強化支援
     NPO法人ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ)に協力していただき、BAJ直売所やフエ市内の零細農家を
     訪問しました。バイオガスダイジェスターを導入した農家にて、BAJや農家の方々から話を聞くことが
     できました。実際に農地で収穫した野菜など、農家の生産物をお昼にいただくことができました。午後は
     カイディン帝廟とミンマン帝廟、夜はホイアンを訪問しました。
     生徒の感想より:
     ・零細農家の見学に行った際には本当に多種多様な野菜や果物が育てられていて、確かに自給自足の面
       では好都合ではあるが、その反面、単一植物の大規模農場などに比べて売るという面においてはBAJに
       よる支援がないと本当に難しいように思えた。農家の方の話を聞いても、あまり長続きするようなもの
       ではないように思えた。夜に行った歓楽街では、最後までベトナムの雰囲気を味わえ、海外への興味は
       最初に比べてとても膨らんでいた。

     ・直売所や農家の家に行って、日本の地産地消を思い出した。また、日本では零細農家は質を高くしたり、
       ブランド化したりすることで安い外国作物と競争しているため、BAJの方針と日本の農家に色々な共通
       点を感じた。
 
     ○今回のツアーで学んだこと、考えたこと、共有したいこと(生徒の感想より)
     ・誰にでも英語が通じると無意識に思い込んでいたことに気がついた。
 
     ・今の時代なら言語が通じなくても案外何とかなること。どんな場所においても積極性が大事であること。
       相手のことを知ろうとすることが大事。
 
     ・今までは小さい社会よりも大きい社会の方が良いと思っていた。しかしカトゥー族の人に接し、カトゥー
       族は確かに効率が悪いかもしれないが、 独立した小さなコミュニティだけで生活ができる一方、 我々は
       農家の人々、世界との貿易などに頼って生きているので、いざ流通が出来なくなったら食料が得られる
       かもわからないという危険があるため、必ずしも良い社会とは言えないと思った。
 
     ・僕はベトナムという国をあまり知らず、治安の悪い発展途上国という印象があったが、実際に現地で
       感じたり体験したりすることで、 国の認識や今までの知識とのすり合わせが出来たので、 ぜひ海外へ
       行く時はなにか調べてから行くべきだと思った事や、海外渡航前日はとても不安に駆られたが、行って
       みるととても楽しかったので、自分の知らない世界へ飛び込んで見るべきだと、みんなに共有したい。
 
     ・駒東の中だけにいては全く世界が見えないというのを痛感した。ベトナムでこんなにギャップを感じ
       いたとうことは、 さらに気候や国民性や経済規模の違う国に行けば、また180° 価値観が変わるかも
       しれない。今いる環境を客観的にみるためには、いったんその環境を離れないといけないというのを、
       身をもって体感したので、とにかく多様な国の多様な立場の人の生活を体験すること(それでも当事者
       と全く同じとはならないが)が重要だと思う。
       協力団体
       公益財団法人国際開発救援財団(FIDR)

       
NPO法人ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ)

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