昭和32年(1957)に創立されました。設立者は、学校法人東邦大学理事長だった額田豊、初代校長は菊地龍道です。額田は、大正時代にヨーロッパに留学したときに、「彼の地に比べて日本は科学的合理的な精神において立ち後れている、これからの日本の若者は、理科系に進む若者だけでなく、すべての人が科学的合理的な精神を身につける必要がある、それには青少年時代からの教育が必要だ」ということを痛感しました。
その後敗戦後の日本の復興にあたり、額田はまず人材の育成、それも科学的合理精神を身につけた人材の育成が急務であると考え、中学校・高等学校の設立に着手しました。直接教育にあたる責任者としては、10年間にわたって都立日比谷高等学校の校長の任にあり、すぐれた教育者として名声が高かった菊地龍道を招き、昭和32年、現在地に駒場東邦中学校・高等学校が開校されました。
〔沿革・理念〕
駒場東邦は、いつ、どのようにしてできたのですか。
建学の理念のようなものはありますか。
初代校長・菊地龍道は設立時の日本の貧しい状況をふまえ、「資源のない日本では、頭脳を資源として、社会に有為な人材を育成する」ことの大切さを説きました。ここでいう社会に有為な人材とは、「人類の福祉を高める仕事で活躍できるような」人間ということです。このような理念は創立60周年を迎えた今日も変わっていません。社会が直面する諸問題を他者とともに創造的に切り開いていこうとする人間を養成することが、我々の念願であり、建学の理念です。
教育目標はどのようなものですか。
生徒・教員・保護者の三者相互の理解と信頼によって明るく楽しい学園をつくり、生徒各自の個性を伸ばし、能力を高め、豊かな知性と科学的教養を身につけた、健康で実践力に富む有為な人材を育成することです。